
推しは推せる時に推せ
今痛感している。
推しは推せる時に推せ。
真理。
ユーリ on ICEが今期間限定でYouTubeで絶賛配信中ですが、皆様はもう見ましたでしょうか?
もし見たことのない方がいましたらぜひ!見てください!
とても面白いアニメです!
サムネがまるでBLですが、中身はただのスポ根アニメです。
嘘です。若干BLくさいかもしれないけれど、でもあれは広く全般的な愛のお話です。
だがしかし男同士の絡みが見たいとか、ブロマンス大好きな人は絶対好きだと思うのでそういう人にもおすすめです。
あと作画。OPと1話冒頭の作画が神がかっている。OPが凄すぎて飛ばせない。毎回見ちゃう。すごい。すごいしか出てこない。あの素晴らしいOPを表す語彙が少なすぎる。日本語が貧相でごめんな。
ユーリを見ると主人公の勇利を指して「音楽を奏でるようなスケーティング」と表される。これを聞くと、私の頭の中で真っ先に思い浮かぶのはカナダのジェフリー・バトル。2006年のトリノオリンピックで3位に輝いた選手だ。次にカート・ブラウニング。
とにかく私はフィギュアスケートといったらジェフリー・バトルが好き。
振り付けは自身で行なっており、音どりえぐいし何よりダンス好きなんだろうな上手いんだろうなというスケートが好き。4回転は飛べないけれど、他のジャンプは綺麗だし、ステップもスピンも綺麗。何よりイナバウアーとイーグルが一等好き。あんな大きく弧を描くイナバウアーとイーグルあまり見れないし、イーグルの傾斜がやばい。
羽生結弦や坂本花織、様々なスケーターの振り付けを行なっている。
とにかく楽しそうな表情で滑って踊るバトルが大好き。
でも私はにわかなので、いつかアイスショーでバトルの演技を見たいと思っていたけれど、たびたび来日して演技してくれる日本という恵まれた国に住んでいたのにも関わらず、ついぞそれは叶うことはなかった。
ユーリを見たきっかけでまたフィギュアスケートが見たくなり、こういう時は大体私はジェフリー・バトルの動画を検索する。
そして知った。彼が2023年に人工股関節置換術を受けたことを。
私は整形外科で働いたことはないので、詳しくない。
けれど禁忌肢位があることくらいは知っているし、ジャンプするような高負荷のスポーツはもうできない。
つまり、氷上で舞うジェフリー・バトルはもう見れないのだ。
あー。
そうか。
そうなのか。そっかあ。
呆然とした。
あんなに、あんなに楽しそうに氷の上を滑っていた人が。
きっと滑ることはできる。振り付けだって今もしているようだし。あくまで私が浅く検索した範囲なので、勘違いかもしれないけれど。
でも、もうイーグルをしたり、イナバウアーだって、その股関節では難しいだろう。
そっか。
そうなのか。
バトルのインスタアカウントがあると知り、見てみた。
オペ後のリハビリの姿と、ようやく氷の上に立つことができたという足元の写真。スケート靴の錆びた刃。それでもfinally being back on the iceと添えられていた。
自分なんかが泣くのはおかしいけれど、それでも本当にバトルの演技が好きだし、その滑る様があまりにも楽しそうだったから。finally。そうだねfinallyだよと噛み締めるしかない。それでも氷の上に戻ってくるのか。
推しは推せる時に推せ。
人はいつ死ぬか分からないし、いつ今と健康を損なうかも分からない。医療で完全に元通りになどはならない。人間の体はそういう作りをしていない。ましてやアスリートなど、常人では考えられないような動きをしているというのに。
もう見れないんだなぁ。
きっとバトルの振り付けは、もしかしたら今後も選手を通して見れるかもしれない。
でもあの音楽を体現するようなバトルの滑りはもう見れない。
悲しい。
ただただ悲しい。
過去の自分をぶん殴ってやりたい。なぜ、なぜアイスショーを見にいかなかった。日本という恵まれた国にいながら。
できないことを増やしたくないなぁと思った。
本当にできないことは世の中にごろごろしているから。
できるかもしれないことを、できないにカテゴライズしたくない。傲慢にも強欲にも、できることには手を伸ばさないと。人の一生は、輝いているひと時はあまりにも短いんだから。
いつ死んでもいいようにしないと。